島田です。
2021.12.18に悲しい出来事がありましたね。
神田沙也加さんが35歳という若さで亡くなられました。
女優、歌手、声優であり、特に最近はミュージカルで輝き活躍されていました。
今回の記事では、この死から僕らが何を感じとり、何を活かすことができるのか、心理の専門家として、伝えないといけないという気持ちが強く書くことにしました。
神田沙也加さんってどんな人?
神田沙也加さんは、ディズニー映画、アナと雪の女王の日本語吹き替え役で王女アナを演じたこともあり、あなたも知ってる人だと思います。
神田正輝さんと松田聖子さんという芸能界でもビックな夫婦から生まれた沙也加さん。
1986年10月1日、東京生まれで、1994年のCMに両親と出演したのが芸能界デビューになっています。
1999年にはLAから短編映画でオーディションを勝ち上がり出演。その映画で最高賞受賞していますね。
2002年には歌手デビュー、2004年に宮本亜門さん演出のミュージカルでオーディションに合格し演じたことから舞台を活躍の場とされていたようです。
沙也加さんの個性
純度100%の個性を活かす生き方というのが、僕のメインフレーズですので、神田沙也加さんの個性・才能を哀悼の意を込めて分析してみようと思います。
ご本人とお話ししながら深層心理を紐解いていくセッションができていませんので、可能性の部分ではありますが、おおよそ合っていると思います。
沙也加さんは、とても上品で審美眼・感覚的な美的センスを持ち、ナチュラルで飾らない美しさを自然と発揮できる人だと言えます。
人との関係性も、誰とでも対等でいることを当たり前としているので、どんな人とも気さくにユーモアを交えながら話すことができたのだろうと思います。
芸能界や、歌手としての活躍もありなのですが、より洗練されたミュージカルのように芸術的な表現をすることで活躍されていたのは、すごく個性を追求した選択だったと思います。
同時に、周りの状況を考えてあげられるあまり、人間関係で疲れやすかったり、みんなと平等にいたいのに、自然と格差で見られてしまう、常に母と比較されてしまうというのは、苦しかったこともあったかもしれません。
心療内科にかかり服薬もされていたことが分かっています。
ですが、その苦しさも沙也加さんの成長させてくれる一つの宿命だったとも言えます。
深層心理の欲求としては、沙也加さん自身の大好きなことをとことん追求したいという気持ちが強かったと思います。さらに細部まで完璧にこなしたいという思いを持って日々プロフェッショナルな活動を続けていたことでしょう。
ミュージカルにおいても、今できる最高の公演にしたいというプロとしての強い想いは日頃から強かったでしょう。
また、プライベートでも、沙也加さんが理想とする人間味のある素晴らしい人でいたいという部分があったかと思います。
それは、時に自分自身に厳しすぎることもあったかもしれません。
今回はここまでにしておきますが、今までの内容だけでも両親が芸能人じゃなくても、素晴らしい才能を持ち、おそらく相当な努力をしてこられただろうと感じることができます。
とにかく、優しくて真面目な方だったのでしょうね。
沙也加さんの死を連日報道するメディアは正義か?
僕らの決断や行動というものは、意識よりも深い無意識の部分で99%が決められています。
なので頭ではこうしたいと思っていても、いざという時は無意識で選択してしまうんです。
あ、意識と無意識、顕在意識と潜在意識についてはまた、別記事で深く追求していきますね。
無意識で多くの決断をしているということは、逆に無意識に意図的に影響を与えられたらその影響を大きく受けるということが言えます。
ここで、ある実験を紹介しますね。
精神科医のジェローム・モット(Jerome A. Motto)さんは1967年、「自殺報道の影響で自殺が増える」という仮説を確かめようとしました。
新聞のストライキがあった期間に自殺率が減少するかどうかを調べたが、この仮説がデトロイトだけでしか証明されなかった上、調査手法における様々な問題点が指摘されたことから評価されませんでした。
その後、アメリカの社会学者、デービッド・フィリップスが1974年 、ニューヨークタイムズの一面に掲載された自殺と、1947年から1967年までの全米の月間自殺統計を比較する調査を行いました。
結果、報道の自殺率に対する影響を証明され、これをウェルテル効果と名づけられました。
フィリップスさんの調査は、
- 自殺率は報道の後に上がり、その前には上がっていない
- 自殺が大きく報道されればされるほど自殺率が上がる
- 自殺の記事が手に入りやすい地域ほど自殺率が上がる
という結果であり、まとめると報道が自殺率へ影響を与えることを証明しました。
ちなみに、この理論は、その後1984年に行なわれたイラ・ワッサーマン(Ira M. Wasserman)をはじめとした複数の追試によっても正しいとされています。
フィリップスさんは、テレビにおける自殺報道にも同様の効果があるとしました。
この情報に関しては、逆にニューヨークタイムズの一面よりも、テレビの方が圧倒的に情報量が多いわけで、自殺率への影響はさらに高いと推測できます。
報道メディアのモラルで今の日本がわかる
上に書いた調査結果からすると、どう考えてもメディアで死に関する報道を同時多発的に、継続して行うことにメリットはないですよね。
そして、過度な情報を出さないようにWHO(世界情報機関)も発表を常に出しています。
なのに、芸能人が亡くなる度に過激な報道を、しかも連日繰り返し浴びせる必要があるんでしょうかね?
さらに、芸能人につながるある人や家族との関係まで追求し、誰が悪い、誰が関係している、本人の性格やメンタルを批判したりと、憶測だけで情報を流しまくってますよね。
本来メディアとは、僕達に大切なことや、知ってた方が良いことを伝える役割、知ってもらう役割ですよね。
そこにメディアの使命感があり、調査して分かった適切な情報や最新の情報などを与えていく意義があるわけですよね。
メディア業界で働く人の働く意味とは何なんでしょうか?
生活のためにお金を得るため?
みんなが食いつく情報をあげまくって自分や自分の会社が良い思いをすればいいだけ?
もし、そうだったとたら、詐欺師と同じですよね。
もちろん、同じ報道関係で仕事してる人でも、使命感を持って素晴らしい仕事してる方もいると思います!
ただ、世の中見てると圧倒的に、国民のためじゃないんですよね。
厚生労働省のサイトを見てみたら、今回の神田沙也加さんの死に関して、2021年12月19日に報道を自粛するよう呼びかけが書いてあります。
さらに2017年から、自殺対策のためのメディア関係者向けの資料も出てるくらいです。
今回は死因が特定できてないにも関わらず、自殺だという報道も目立ちます。
なぜここまで危険だというサインも出てるのに、一向に過剰報道は消えないのでしょうか?
国の権力者たちはこういうことを表で伝えて欲しいし、メディアは拡散して欲しいです。
国やメディアがメディアをよりいい方向に成長していこうとすれば、変わっていけるんじゃないかと思うんですけど・・・
僕らは経験から何を得ることができるか?
ここまで神田沙也加さんの死とメディアの僕達の無意識への洗脳、ウェルテル効果で自殺報道が自殺を助長することについて書いてきました。
沙也加さんの死から僕達は学びを得ることができます。
それを活かしていくことが、僕達ができることであり、同じような出来事を防ぐ小さいけど大きな一歩だと確信しています。
あなたは、何を得ることができましたか?ここからは僕がまとめたものを書き出してみますね。
メディアの無意識のコントロールを断ち切る
今回の沙也加さんの出来事だけでなく、僕達は日々メディアの過剰な情報と、捏造された嘘の情報を浴び続けています。
その結果、上に書いたウェルテル効果が発動し、自殺の情報で自殺が増えてしまうんです。
厚生労働省のサイトでも、芸能人の自殺報道で、その10日間以内に200人の関連死が存在すると記載されています。
これだけの情報を知って、あなたはまだメディアの情報を信じ、TV報道を視聴し続けますか?
さらに付け加えておくと、心理学用語でサブミナル効果、単純接触効果というものが存在します。
今回は用語の詳細を書きませんが、簡単にいうと、
ある情報を何度も見聞きすると無意識で信じてしまい、あなたの行動に影響を与えるということです。
つまり、ウェルテル効果に、サブミナル効果・単純接触効果も合わさりより強力だということです。
あなたが、本来のあなたらしい行動をするためには、メディア情報を客観的に見る意識が必要になります。
医者にかかれば安心というわけではない
沙也加さんの担当の先生が良い・悪いという話をしたいわけではありません。
ただ、一般的な傾向として、心療内科にかかって薬物療法をしてるからとりあえず大丈夫。
みたいな真面目な日本人の風習がありますが、本来僕たち人間の免疫システムは薬物がなくても回復できる仕組みになっています。
一時的に治療薬にお世話になるとしても、それは対症療法をしてるだけであることを認識しておかないといけません。
僕は、医療現場でリアルを見てきましたので、嘘偽りなく書いています。
対症療法として、薬物療法を続けていくと、今度は薬剤の合併症に苦しめられその合併症に対してまた対症療法がスタートしていきます。
もし、薬を使うくらいの状態なら、それはしっかり休みなさいという合図です。
休息をとり、根本原因を整理することが大切になります。
多くの場合は、幼少期からの両親との葛藤、自分自身の情動記憶、トラウマとなる出来事の再燃という形だと思われます。
どんな内容であったとしても、解決は可能であり、その経験の意味を明確に持てれば次のステージに進むことはできるんです。
精神的な不安定さに襲われた時には、休みなさい。なんだと感じて一度ストップしてみることをおすすめします。
あなたは生きてるだけで価値がある
何かをしていないと生きてる価値はない。
そう感じてしまいがちな世の中ですが、あなたが生きてるだけで価値があるんです。
あなたが食べることでスーパーや農家さんが潤い
あなたが排泄をするだけで、水道局にお金が入り
あなたが誰かの支援を受けることで、支援してくれる人が報酬を受け取ります。
僕らは常に誰かに迷惑をかけたり、誰かに支援をしてるんです。
世の中は常に、バランスが存在するので支援を受ける人と支援する人はセットなんですね。
あなたが苦しい時には、誰かにサポートしてもらって、あなたが絶好調の時は誰かにサポートしてあげてください。
そうやって絶妙なバランスで僕らは成長していけます。
『死にたい』・・・思ったことはあるかもしれません。
僕だってメンタル強いと周りから言われますが、『死にたい』って思ったことはありますよ。
事業が失敗した時や、それで家族に迷惑をかけた時や、自分が真剣にやってた仕事が実は誰かに迷惑をかけていたりとか。
だけど、生きていれば好転するし、死んでしまえばその後は何もないんです。
僕は看護師時代に、生きたいのに生きれなかった人とたくさん話してきました。
ランドセルをからったのは6回だけの小学1年生、彼女にお別れを言えなかった大学生、娘と息子さんを残して旅立ったお父さん、お産時にクモ膜下出血で一度も我が子を抱けなかったお母さん。
誰だって自分から死を選ばなくてもその日はやってきます。
その日まで一緒に人生を生きませんか?
僕にもあなたにも生まれてきた理由があるし、何かしらの役割があるし、楽しんで生きていいんです!
もし、今息詰まってるなら、その過程が必要だってこと。その過程があなたを強くしてくれて、あなたの使命や役割や楽しむ生き方を教えてくれます。
絶対、死んじゃダメなんです。
限りある人生に光をあてる
ここまで、いろいろ書いてきましたがどんなことをあなたは感じましたか?
もし、何か前向きなきっかけになれたら幸いです。
あなたが世の中のおかしなシステムに気づき、権力・お金に左右され生活のためにしょうがないという諦めから解放されることを祈ります。
そして、誰かとの比較、意図的に作られた成功モデルから、あなただけが持つ個性を最大限に活かして、楽しむ人生、誰かを笑顔にしてあげれる人生になれたら幸いです。
では、また!