返報性の原理について教えてください!
最近心理学にハマってるんですけど難しい・・・
DAIGOさんが話してるのを聴きました。
私もちゃんと理解したいです!
返報性の原理はビジネスからカウンセリング・コーチングまであらゆる人間関係に応用されています。理解してた方が絶対にいいので解説しましょう!
元看護師。コーチングを軸とした起業・副業プロデュースが主の仕事です。また合わせてデザイン事業、金融教育を行っています。
個性に合わせたビジネスの提案、SNSとブログを絶妙に融合させて収益化などをアドバイスしています。
最近流行りの心理学で、返報性の原理が気になっていませんか?
この記事で紹介する返報性の原理解体新書を読むと、誰でも簡単に返報性の原理を理解し活用できます。
僕も実際に学び、仕事やプライベートに活用したことで、セールスや良好な人間関係に役立ててきました。
この記事では、返報性の原理の基礎から実践編を紹介して、活用方法についても具体的に解説します。
記事を読み終えると、今後返報性の原理を調べる必要はなく、心理学を活用できる人になります。
最後までぜひチェックしてくださいね。
返報性の原理とは何か?
返報性の原理(へんぽうせいのげんり)を返報性の法則をということがありますが、同じことを差しています。
もっとも自然な人間の心理
返報性の原理とは、あなたが相手から受けた好意に対し『お返しをしたい』『お返しをしないといけない』と感じる心理のことです。
例えば、
あなたが辛い時に寄り添ってくれた人に対して、次その人が困っていたら絶対助けてあげよう!って思いますよね。
そうそう、スーパーの試食やお試し商品なんかも同じ原理なんです。
無意識で感じ行動してしまう、人の心理傾向っておもしろいですよね。
返報性の原理は、人にとって、とても自然なものなので多くの人が気づいていないんです。
返報性の原理を証明する心理実験
返報性の原理に関しての研究は数多く実施されています。
心理学者のデニス・リーガン氏が1971年に発表した論文はとても有名ですよね。
スタンフォード大学の男子学生81人に対して、美術品を鑑賞して評価するという偽の課題を与えました。
生徒が課題に取り組んでいる最中に、『仕掛け人からコーラをもらう』『コーラをもらわない』『第三者(実験の監督)からコーラをもらう』という3つの出来事のどれか1つが生徒に発生します。
さらに仕掛け人と第三者の好感度の良し悪しも追加しました。
課題が終わった後、生徒は仕掛け人から「抽選で景品が当たるチケットを買ってくれないか?」と持ちかけられます。
仕掛け人から コーラをもらった | コーラを もらわなかった | 第三者から コーラをもらった | |
好感度が高い | 1.91(A) | 1.00(C) | 1.50(E) |
好感度が低い | 1.60(B) | 0.80(D) | 0.80(F) |
コーラの有無で分けられた3グループのうち、チケットを多く買う傾向が最も強かったのは、
1位:好感度が高い仕掛け人からコーラをもらったグループ(A1.91)
2位:好感度が低い仕掛け人からコーラをもらったグループ(B1.61)
3位:好感度が高い第三者からコーラをもらったグループ(E1.50)
4つの返報性の法則
返報性の法則は大きくわけて4つに分類することができます。
です。それぞれ解説していきますね。
これまで書いてきた、返報性の原則の例にもつながるもっともわかりやすいものです。
好意の返報性
好意の返報性とは、他者から何らかの『好意』を受けとったと感じたら、お返しをしたくなることを言います。
例えば、誕生日のプレゼント交換や、お土産の交換、SNSでのフォローやいいねをくれる人に、あなたもフォローやいいねをしたくなることってあると思います。
それが好意の返報性が働いている証拠なんですね。
敵意の返報性
敵意の返報性とは、好意の返報性の逆です。
自分がよく思わない人に対して、相手から向けられた敵意を返したくなることを言います。
例えば、
浮気をされたパートナーに対して、浮気でお返しをするなどの行為はまさに、敵意の返報性の結果と言えます。
敵意の返報性の実例、怖いですね・・・
譲歩の返報性
相手が譲歩してくれたら、次は自分が譲歩しなければいけない気持ちになることを言います。
例えば、交通機関で窓側の席を譲ってもらったら、帰りは相手に窓側を譲ろうとする、譲ってあげようとしたら、相手からも『いえいえ、あなたの方こそどうぞ』みたいな流れになりますよね。
これが、譲歩の返報性です。優しさに溢れてますね。
自己開示の返報性
相手が隠し事をせずフレンドリーな接し方をしてくれたら、あなたも相応のオープンな接し方をしようとすることを言います。
自己開示の返報性は、主にコミュニケーションスキルでよく活用されています。
例えば、まだ面識がほとんどない相手と話している時に、相手が悩みや失敗談などを自己開示をしてもらえると、自分も自然と開示してしまう傾向があります。
すると、距離感がグッと縮まりますね。
結果的に、人間関係を深まる、これが自己開示の返報性です。
返報性の原理は仕事や恋愛に使われている
ここまで、書いてきた内容でも、身近で返報性の原理が使われていることがわかってきたかと思います。
ここからは、さらに身近で使われている事例をいくつか紹介していきますね。
店舗でのサンプル品の使用
店舗でよく行われている試飲・試食・試着などはもっともポピュラーな活用事例です。
サンプルを活用することで、
・使わせてもらったから
・飲ませてもらったから
・食べさせてもらったから
・試着させてもらったから
『購入しないと申し訳ないな・・・』って買っちゃうあれです!
『やっぱり買いません・・・』とは言いにくいのが日本人の気質。
かなり、返報性の法則を活用していますよね。
SNSのフォローやいいね!
SNSの機能にも返報性の法則を意図的に盛り込んでいます。
SNSの繋がりで、
YouTube、TikTok、Instagram、Twitterなどなど、フォローしてもらったり、いいねしてもらえるとお返しに、リツイートしたり、いいねを返したくなります。
それが礼儀とも言えますし、それがSNSのルールというイメージもありますよね。
SNSを運営する側も、返報性の法則を理解した上で仕組みを作っているんです。
恋愛
恋愛は、まさに返報性の法則の4つの原理を全て活用していけるジャンルになります。
特に、返報性の法則をどれだけ理解しているかが、恋愛成就するかどうかを決めると言っても良いぐらいです。
・何も感じていない関係から、『好き』をアピールしてもらうことで(好意の返報性)だんだん恋愛感情を抱くようになったり
・相手からLINEを既読スルーされたら、やり返してみて(敵意の返報性)お互い悶々としたり、苦しくなったり
僕は、大人になって感じることがあります。
それは、学生時代ってとにかく異性にたくさん話せる人、好意をアピールできる人が意外な美女やイケメンと付き合ってたってことありませんでしたか?
あれってまさに、ピュアな学生時代に、好意の返報性が効果を発揮してたんじゃないかって思うんです。
猛烈アタックで恋愛成就もよくあることだし、だけど嫌われるような距離感はダメですが・・・
返報性の法則をどう活かすかは恋愛のスキルとして重要ですね。
恋愛心理学については下記もオススメです。
返報性の法則をどう活用する?
返報性の法則をこれでもかと活用していく事例が載っているのが、特にビジネス業界で有名な影響力の武器という本です。
今の時代では、交渉や説得をすること自体がナンセンスだ!という視点もありますが、活用事例として理解しておくために一読することをオススメします。
なぜかというと、この本を読んでスキルだけを高めて交渉・説得をしようとする人たちも増えているからです。
TikTokやInstagramやTwitterの投稿や動画でよく見受けられます。
もし、それが詐欺や人を騙す行為に悪用されていたら、被害を受けてしまいます。
つまり、返報性の法則を理解することは、自分を守り相手を知ることにもつながります。
ここからは、返報性の法則を自然に活用する事例について紹介していきます。
「貸し」をつくる
まず最初の方法は、相手に無償またはそれに近い価値を提供して 貸しをつくるという方法です。
例えば上の方でも書きましたが、
初回無料・50%OFFなど、最初に美容室や化粧品、スーパーなどで無償または割引価格で提供することで貸しを作っています。
『無償で提供してもらったし』『割引きしてもらったのに丁寧に接してくれた』という、貸しに対して、返報性の法則が働いて、お客さんは次も購入する、次もあのお店に通おうと心理が働いちゃうんですね。
言い方を変えると誘導されているとも言えるんです。
この心理を活用すると、
・まずは無料で活用してもらう
・無料でサンプルを配る
・初回は格安で使ってもらう
という方法を用いて提供することができます。
広告でよくある初回90%OFF、初回だけ無料でお届け!!なんかはまさに貸しの活用事例です。
せっかくなので、日常生活でもどう使えるかを考えて欲しいんです。
貸しを作るって表現がなんか嫌な感じですが・・・
日頃から
・あなたの身の回りの人に親切に
・相手が困ってて、あなたができることはやってあげる
これだけで、相手はあなたに恩を感じています。あなたの周りの人は、あなたが親切な人で、信用できる人だって普段から感じているでしょう。
すると、あなたがお願いしたい時、どうしてもの時必ず助けてくれるはずです。
困った時に助けて欲しいから、親切にしておくという考えは在り方としては素晴らしいとは言えませんが、メリットがないのに人に親切にする理由ある?と今感じてる人は、意識してみてください。
人に親切でいれる自分でいる!ことが当たり前になってくると、あなたの人間性を好きになる人がどんどん増えてきますよ。
こうやって、人間関係はお互い様という考えを持てるといいですね。
今まで僕自身も、何度も周りの仲間に助けられましたし、同時に何度も仲間を助けることもできました。
あなたの人間性が自然と返報性の法則につながっているんです。
ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック
4つの返報性の法則の中で、譲歩の返報性がありましたね。
エレベーターに乗る時に、先に『どうぞ、どうぞ〜』って言われると『あなたこそ、どうぞ〜』ってやりたくなるあれです。
そんな日本人にあるあるの譲歩の返報性を使ったのが、今から紹介するドア・イン・ザ・フェイスというスキルです。
方法はこうです。
最初に、あえてハードルが高い要求をお願いして、その後に要求を低くすることで相手が『それだったらいいか』というOKを引き出すテクニックです。
最初から、低い要求をするよりも断られる可能性がグッと低くなります。
最初の高い要求は断ったことを受け入れてもらったから、次はこちらが受け入れた方がいいかなという心理を使いこなすわけです。
例えば、
訪問販売の人が、高級羽毛布団をセールスしてきて、すごい品質がいいこと、睡眠の質がグッと上がる研究データまで出してきたとします。
だけど、定価5万円と言われたら、いや高いです・・・となるんですが、テクニックを使って、『気持ちに答えるために半額の2万5千円で販売したいと思います。』
と言われたら、こんなに丁寧に説明してもらったのに、断った罪悪感と、値段を安くしてもらったことに譲歩の返報性が働いて、『買います!』って言っちゃう可能性が高くなるんです。
ほんと、返報性の原理はいたるところで活用されていますね。
悪用は厳禁ですよ!あくまであなたが詐欺に遭わないように守るため、そして本当にいいものを必要な人に届けるために活用してください。
返報性の法則が失敗する時
返報性の法則は、効果が高い分、雑な使い方をすると、信用を失ったり、トラブルに発展する可能性も大いになります。
どんな時に失敗するのか理解して、しっかり使いこなしていきましょう。
見返りを迫る
心理学や返報性の法則をうまいこと使おうとして、人間性が伴っていない時によく起こります。
『自分は相手に貸しを作ってやったんだから、相手がお返しをするべきだ!お返ししないのはおかしい!!』などと、求める人は、相手にその下心がバレちゃいますから、お返しが戻ってきません。
過去に僕が受けたセールスでも、最初は無料で提供してくれて優しい会社だなって思ってたら、
・頻繁に自宅にアポなしで来たり
・頻繁に営業の電話してきたり
あからさまに見返りを求めてきたので、すごく嫌な気持ちになりました。
返報性の法則は、してあげてるのに・・・ではダメなんです。
したいから、喜んでもらいたいから、役に立ちたいから。そんなピュアな思いにお返しが返ってくるんで、勘違いをしないようにしましょう。
見合わない貸し
あなたが、どんな相手に返報性の法則を使うのかはすごく重要です。
相手に見合った貸し(好意・譲歩・自己開示)をしなければ、大きな貸しが相手に負担を与えて、逆に引いてしまうこともあるからです。
お返しをしたくても、相手が負担でお返しを躊躇することだってあります。
そうなると、あなたと関係を築くことすらも悩むかもしれません。
相手に程よい、プラスになる働きかけができるよう意識していきましょう。
返報性の法則と一貫性の法則は同じ?
返報性の法則と一貫性の法則は同じなの?結論から言うと、似てますが違います。
どちらもすごく大事な法則なので、わかりやすく違いを説明していきますね。
一貫性の法則とは、一貫した主張をしてしまう法則です。
例えば車を購入したとして、その後に追加オプションを付属してしまうことって良くありますよね。
これは、自分が購入した車に対して、『購入した車だしせっかくなら最高の状態にしたい!』という車を購入した自分に一貫性を保ちたい心理を持ってしまうから、ついついオプション追加してしまうんです。
販売員はそれを理解しているから、購入を決めた後に、追加オプションを提案してくるんですね。
フット・イン・ザ・ドア
このテクニックで有名なのが、『フット・イン・ザ・ドア(foot in the door)』というテクニックです。
フット・イン・ザ・ドア(foot in the door)とは
まずは小さな要求からスタートして承諾を得たら、少しずつ大きな要求に上げていくことで、断れない心理を生み出していきます。
最初から大きな要求ならすぐに断るけど、小さな要求を承諾したから、一貫性を保ちたくて、次の大きな要求を承諾しやすくなるんですね。
ドア・イン・ザ・フェイス
そうそう、全く逆のアプローチもあるのですが、それは譲渡の返報性であるドア・イン・ザ・フェイスです。
ドア・イン・ザ・フェイス(door in the face)とは
まず大きな要求をして、小さな要求へと譲歩していくという交渉テクニックで、フット・イン・ザ・ドアと正反対ですね。
大きな要求を最初にしてすぐに断るけど、小さく要求をしていくことで、全部断るのはかわいそうだなという心理が働き、小さな要求を承諾しやすくするんですね。
正反対の心理テクニックをその時々で活用するのは、高度なスキルですね・・・
結局のところ返報性の法則と一貫性の法則の違いは?
結論、何が違うのかというと、
返報性の法則で有名な著書
返報性の法則について書かれた本はたくさんありますが、まず読むならこの本一択です。
もし、読んだことがないなら必ずチェックしてみてください。
まとめ
ここまで、返報性の法則について網羅してきました。
どれだけ、法則を理解しても、自分のため、相手のため、世の中のために活用しなければ、必ずその法則は崩れていきます。
ほんとに普遍の心理技術なので、全うな活用をお願いします。最後にまとめをして再確認して終わりましょう。
・返報性の法則とは、あなたが相手から受けた好意に対し『お返しをしたい』『お返しをしないといけない』と感じる心理のこと
・返報性の法則を示す、もっとも有名な心理実験は心理学者のデニス・リーガン氏が1971年に発表した論文である
・返報性の法則は大きく4つに分類される(❶好意の返報性❷敵意の返報性❸譲歩の返報性❹自己開示の返報性)
・返報性の法則を実生活で活用するには(❶貸しを作る❷ドア・イン・ザ・フェイステクニックが有効)
・返報性の法則が失敗する時は❶見返りを求める❷見合わない貸しを作っていることが原因
・返報性の法則と一貫性の法則は似てるが違う。共通点は自分の決断に筋を通した行動をすべきという心理
・一貫性の法則は、自分の中で一貫性のある行動をとろうとする心理
・返報性の法則は、自分への好意に対してお返しをしようとする心理
・返報性の法則に関する著名な著書は、影響力の武器
一回で、全てを理解するのは難しいかも知れません。何回も読んで活用してみてくださいね!