島田です。
RAS(ラス)=脳網様体不活化系という言葉は、脳科学・認知心理学・コーチング・引き寄せの法則などでよく使用される言葉です。
RASの機能について理解できると、なぜ人は目標を立てることが必要なのか、どうやって夢や理想を叶えることができるのかがわかってきます。
日々、あなたの目の前に現れるチャンスやヒントを理解し、そのチャンスやヒントを活かすことができるようになります。
結果的に、理想の自分になれる、仕事で成果を出せる、人間関係が充実する、人生を楽しめる自分に自然とシフトしていくことができます。
それだけ、人生に大きな影響を与えるRAS機能について、わかりやすく解説していきますね。
RAS?その前に脳の重要な機能を理解しよう
RAS(ラス)について解説する前に、脳の最低限の機能を理解しておくと繋がりが見えてきます。
僕自身、医療職時代は脳外科で長く勤務していましたが、本当に脳は不思議なものでまだまだ解明されていない機能も存在しますし、今わかっている機能を理解することだけでも膨大な量のものがあります。
ですが、今からお伝えする内容は、僕たちが生きていく上で日常的に活用していくものになりますので、理解しておくことをおすすめします。
脳のシンプルな3つの構造
人の脳は進化によって成長したという仮説もありますが、機能として大きく3つの脳に分けるとわかりやすいです。
脳の奥にある機能ほど、根本的であり、人に与える影響が強いです。
一つずつ解説してきますね。
爬虫類脳:本能:脳幹
爬虫類脳(はちゅうるい脳)=本能(脳幹)は、生きるための本能を司どる部位です。
『生きのびる』という、人に本能に存在する生存機能に忠実に働きます。
呼吸や心拍の中枢でもあり、どんな状態であっても、安定させようとする力と、緊急時は、調整することで、呼吸や循環機能を維持しようとします。
何よりも、生きることを前提としているので、安心・安全を求める力が強いです。
哺乳類脳:情動脳:大脳辺縁系
爬虫類脳の上に覆いかぶさるようにしているのが、哺乳類脳と言われる大脳辺縁系です。
大脳辺縁系は、本質的な感情を司っている部位です。
人が反射的に感情的になってしまう時は、この大脳辺縁系が活発に活動しています。
人じゃなくても、犬や猫などの動物は、喜怒哀楽で表現することができますよね。
それは、動物が哺乳類脳=大脳辺縁系が機能しているということなんです。
ペットが玄関で、フリフリと尻尾を振りながらあなたが帰ってくるのを待っているところなんてすごく可愛いですよね。
人間脳:思考:大脳新皮質
脳の一番外側を覆っているのが、人間脳=大脳新皮質です。
大脳新皮質は、特に思考や理性を司っている部位になります。
この人間脳と言われる大脳新皮質が人間だけにある機能であり、言葉を使い、論理的に考えることができ、発展するための創造的な活動を可能にすることができます。
つまり、人間脳を使うことで、僕たちは、爬虫類脳の本能や哺乳類脳の情動をコントロールする力を持っているということなんですね。
人間が生きる文化がここまで発展してきたのも、人間脳のお陰だということもできます。
RAS(ラス)とは?脳幹網様体賦活系を理解しよう
RAS(ラス)は脳の機能です。「Reticular Activating System」の略で、脳幹網様体賦活系(のうかんもうようたいふかつけい)という脳の中枢機能の1つに分類されます。
RASの機能をシンプルに表現すると、自分自身が日常的に意識しているもの(興味や関心があるもの/ネガティブな思い込み)を無意識に感知する高性能なフィルター機能と言えます。
同じ映画を観ても、同じ音楽を聴いても、人それぞれ感じることが違うのはRASの機能に影響を受けているからです。
逆に言うと、普段意識していないこと(興味も関心もない/考えたこともない)は、フィルターに感知されず、全く気づかないということです。
RAS機能を使って、常に情報の断捨離をすることで、脳のエネルギー消費を最小限にしているなんて、すごいことですよね。
RAS(脳幹網様体不活化系)の仕組みを体感しよう
RAS(ラス)が脳の大事な機能であることがわかったところで、RASを体感してみましょう。
まずは、こちらの画像をみてみてください。
何を感じましたか?
海外のおしゃれで綺麗な場所だな〜とか、行ってみたいな〜とか、場所がわかる人は『あそこだな!』と感じたことでしょう。
次に、同じ画像を見て、『赤色のものだけを探してみてください!』
どうでしたか?
赤色のものが明確に見えましたよね。
赤色をしたものは、元々画像の中にありました。
だけど、あなたは赤色が大事だと認識はしていなかったはずなので、あなたの普段の興味関心に合わせて画像を見ていたんです。
つまり、RASが『赤色が大事だ!』と理解すれば、赤色にフォーカスを当てて見えるようにしてくれたと言うことですね。
ここで一旦まとめをしておきましょう。
【RASの機能】
・意識しているもの→脳が理解する
・意識していないもの→脳は理解しない
RAS(脳幹網様体賦活系)のデメリットとは
RAS(ラス)の機能ってめちゃ大事じゃない?
そう感じた人も多いことでしょう。
しかし、デメリットも存在するんですね。デメリットも理解していきましょう。
スコトーマ(心理的盲点)が生まれる
RASは簡単に言えば、自分にとって大事なことにフォーカスするということです。
と言うことは、フォーカスしていない部分が見えなくなると言うことも言えますね。
その状態を、心理学の専門用語では『スコトーマ=心理的盲点』と言います。
例えば、
この記事の最初にやったように画像の赤い部分だけを意識するようになると、画像全体を見ることができなくなり、赤い部分だけが明確に見えるようになります。
その時、赤色以外の部分がスコトーマになりやすいと言うことです。
ネガティブを引き寄せる可能性
RAS機能は、意識したものを集めようとするフィルター機能ですから、ネガティブなことを常に意識していれば、当然ネガティブな情報をフィルターが完治して拾ってきます。
結果的に、ネガティブなことを引き寄せてしまうことが増えていきますよね。
例えば、
いつも自分は人から嫌われやすい人だと思っていれば、周りからの視線を全て悪口を言われているように感じてしまいます。
少しでもそれらしい言動があれば、より強化されていくので、他人との会話を控えるようになりより孤立する存在になりがちになります。
RAS(脳幹網様体賦活系)のメリットとは
RASのネガティブな面も伝えていきましたが、もちろんたくさんのメリットが存在します。
使い方が大事なんですね。どんなメリットがあるのか具体的に解説していきます。
自分に必要なものを見つけることができる
自分が今、何を大事にし、どこへ向かっているのかが明確であれば、RAS機能はそのために必要な情報を収集してくれます。
それは何度もお話ししている通り、意識にあるものを集めてくれる機能だからです。
あなたが必要としている、人脈や知識や行動のヒントがあなたが意識することで、どんどん見つかるようになってきます。
それは、スピリチュアルな話ではなくて、現実的にRASのフィルター機能が毎秒目の前に起こる出来事に対して、あなたが受け取るべきものを選択してくれるからです。
高い集中力を持つことができる
RASを活用できてる状態とは、集中すべきことがわかっている状態であり、同時に必要なことを引きせることができると言うことです。
上記のような状態では、人は自然と高い集中力を持つことができ、集中力が増していれば、必要なものをしっかりと受け取り行動につなげていくことができます。
その先には、当然目標が達成される、理想の状態に辿り着くことが当たり前になってきます。
クリエイティブ脳に変わる
自分自身の目指すものが明確な状態でRAS機能が働いている時は、普段は思い付かないような、創造的なアイディアや画期的な発想が生まれやすくなります。
脳があらゆる情報を収集しながら、さらに必要なパズルを探している時に、ふとした時にイメージが浮かんできたりするものです。
それは、誰かと話している時や、電車やバスなど交通機関を移動している時は、お風呂に入ってる時など、あらゆる場面であなたの脳が本領を発揮してくれるんです。
RASの発火につながる条件とは
RAS機能が脳内で、最高のパフォーマンスをしてくれている時、『RASが発火した』と言う表現をすることがあります。
それなら、絶妙なタイミングで発火して欲しい!!!と思った人も多いんじゃないでしょうか?
ここからは、RASが最大限発火するための必要な条件を解説していきます。
あなたにとって大切なものは何か?
誰もが自分にとって大事なものが存在します。
あなたにとって大切なものを日々大切にできているかは、脳細胞が活発に活動するのに重要なポイントです。
あなたにとって大切なものってなんですか?わからない時はこんな質問を自分に投げかけてみてください。
①あなたの経験の中で一番嫌だった出来事は何ですか?
②その経験の中であなたが決めたことは何でしょう?
※実際に決めたものがなくても、その経験からあなたの中で基準としているものが必ずあります。それがあなたにとって大切で重要なことです。
自分にとって大切なものからブレない選択をすること。
これが一つ目のRAS発火の条件です。
やりたいことは何か?
あなたがしたいこと、やりたいことはなんでしょう?
RAS発火の条件二つ目は、あなたが本当にやりたいことを知ることです。
僕たちは教育システムによって『〜すべき』という毎日を生きています。
・男性だから〜すべき、女性だから〜すべき
・会社では〜すべき、上司には〜すべき
このように、〜すべきを選択し毎日を過ごしていると、誰かに指示をされてやっているようなものです。
あなたも人に怒られて何かをさせられてたり、指示を出されて行動したりしたことがあると思います。
そんな時に人は、やる気が低下し、楽しむこともできず、脳の集中力や想像力も低下することがわかっています。
それよりも、
自分自身が心からやっていて楽しいと思えるもの、未体験だけどやってみたいと思えるもの。
それが何なのかを明確にしてみましょう。
理想のさらに上のゴール
ゴールはあなたが目指す目的地であり、あなたが行動する理由です。
なぜ理想のさらに上でないといけないのか?
それは、人は自分の可能性にフタをして生きているからです。
・自分の力はこれぐらい・・・
・これが自分らしい・・・
・こんな性格なので・・・
こんな言葉を使ったことはありませんか?それって実はあなたの偏った解釈なんです。
理想の斜め上のゴールを設定すると、今の自分から変化することになります。
その変化の中にRASが発火し、あなたのゴール達成に必要なアイディアや集中力や行動力のヒントを探してきてくれます。
後は、それらを活かして日々行動していくことで、過去の自分では思い描けなかった理想を叶えることに繋がりますよ。
RASと引き寄せの法則の関係性
RAS機能を理解することは、引き寄せの法則がなぜそうなるのかを知ることに役立ちます。
引き寄せの法則とは、
シンプルに要約すると、『思考は現実化する』『あなたが望むことは現実化できる』というものです。
思考とは、『日々考えていること』『日々意識していること』ということができます。
意識していることに関連することを集めてくれるフィルター機能がRAS機能でしたよね。
つまり、引き寄せの法則は、RAS機能を活用しているということなんです。
RASを使って夢や目標を叶える方法
RAS機能と引き寄せの法則を、論理的に理解できた所で、現実的にRAS機能を使って夢や目標を叶える方法について解説していきたいと思います。
それは、
1.本当に自分が叶えたい夢やゴールを設定する
2.毎日その夢やゴールを見る
3.夢やゴールにつながる行動を必ずする
一つずつ解説していきますね。
本当に自分が叶えたい夢やゴールを設定する
夢や向かいたいゴールを身近な人に言われたことにしたり、友人と同じものにしようとする人がよくいます。
本当にそれがやりたいことであればそれでいいんですが・・・
人がやってるから自分もやった方がいいと思ってるとしたら、それは本当にやりたいことだとは言えません。
あなたが、本当に叶えたい夢やゴールを考えましょう。
偽りの夢やゴールかを見分ける方法
・なんでそれをやるの?
・それをすることでどうなりたいの?
このどちらかも質問を自分自身にしてみて、出てきた答えにワクワクすればOK。
ワクワクしなければ、手放しましょう!
毎日その夢やゴールを見る
夢が叶わない、ゴールを達成できない最大の理由は、夢もゴールも覚えていないということです。
覚えていないということは、毎日の行動に叶えるためのアクションがないわけで、そもそも目指すこともしていないから叶うわけがないんです。
あなたの脳のRAS機能も、あなたが何を欲していて、どこに向かおうとしているのか明確じゃなければ、どうしていいかわからないんです・・・
日々、自分自身の夢や目指しているゴールを意識してこそ、RASを最大限活用できるんですね。
毎日、あなたの夢やゴールを見たり・読んだりしながら、大切にしましょう!
夢やゴールにつながる行動を必ずする
夢やゴールを明確にしても、夢やゴールを毎日意識しても、何も行動しなければ何も現実は変わらないのが、この世のルールです。
毎日、夢やゴールを叶えるための行動を必ずやるから、叶えることができるんです。
1日15分からでもいいんです。叶えるための行動をしてください。
RASの機能を最大化するノート術
ノートと言えば、学校の宿題をするためのものや授業をメモするためのものとイメージしてしまう人も多いと思います。
大人になって、スケジュール帳がノート代わりになって活用している人もいるかもしれませんし、スマホのカレンダー機能を使ってる人もいるかもしれませんね。
ここでは、RAS機能を最大限活かし、引き寄せ力を倍速するノート術を紹介していきます。
やり方は簡単です。
前述している、RAS機能を使って夢や目標を叶える方法をノート術で活用するんです。
ノートはどんなものでも構いません。
毎日下記を行うことができれば、あなたは自分の力で叶えることができます。
①あなたが今、一番達成したい夢やゴールを書き出しましょう
②この1ヶ月間の目標を立てましょう
③その目標を叶えるための今日できる行動をあげましょう
④その行動を必ず実施しましょう
⑤計画したけど、うまくいかなかったものがあれば、修正して再トライしましょう
まとめ
ここまで、RAS機能について詳しく解説してきました。最後にまとめますね。
あなたの理解度を確認しながら、今からどんな行動をしていくか考えてみてください。
・脳は大きく3つの機能に分けることができ、哺乳類脳(本能)、爬虫類脳(情動)、人間脳(思考)に分かれる
・RAS機能=Reticular Activating System=脳幹網様体賦活系
・RAS機能とは、強く意識するものを脳が感知する機能であり、何を意識するかが重要
・RAS機能のデメリットは、心理的盲点が生まれる・ネガティブも引き寄せる可能性がある
・RAS機能のメリットは、自分に必要なものを見つけることができる・高い集中力を持つことができる・クリエイティブ脳に変わる
・RAS発火の条件は、自分にとって真に大切なものを大事にすること・本当にやりたいことをすること・理想のさらに上のゴールを設定すること
・RAS機能と引き寄せの法則は、思考は現実化する=意識したものを集めるという、同じことを指している
・RAS機能を使って夢やゴールを叶えるためには、本当に自分が叶えたい夢やゴールを設定すること・毎日その夢ややゴールを見ること・夢やゴールを叶えるための行動をすること
・RAS機能を最大化するノート術とは、一番達成したい夢やゴールを書き出す・この1ヶ月間の目標を立てる・その目標を叶えるための今日できる行動をあげる・その行動を必ず実施する